政治・経済

長野道全通開通30周年 大動脈の経済効果3.3兆円に

長野道に建設中の筑北スマートインターチェンジ

 岡谷市の中央自動車道岡谷ジャンクション(JCT)から千曲市の上信越自動車道更埴JCTに至る高速道路・長野自動車道(長野道)が、25日で全線開通30周年を迎える。松本地方にとっては人流・物流になくてはならない大動脈で、NEXCO中日本・同東日本のまとめによると30年間の経済波及効果は約3.3兆円に上る。

 長野道は延長75・8キロで平成5(1993)年に全線開通した。1日当たりの平均通行台数は約4・6万台で、累計通行台数は約4・6億台。首都圏と中京圏、北陸圏が結ばれ、通行量の増加とともに県内総生産はこの30年間で約1・6倍に増えた。沿線では各地で新たな工業団地が造成され、令和2(2020)年時点の新規工場立地件数は累計117件となっている。
 工場団地の造成が相次ぐ安曇野市の太田寛市長は「梓川スマートインターができ、松本糸魚川連絡道路の完成時には安曇野北インター(仮称)もできる。長野道が市の活性化に占める役割は今後ますます大きくなってくる」と期待を寄せる。
 松本市―長野市間では、大型車の87%が長野道を利用するようになり、国道19号などがより安全に通行できるようになった。所要時間が短縮されたことで通勤圏も拡大した。観光や農業振興、災害時の代替輸送路としての機能など、多様な効果をもたらしている。年内に筑北スマートインターチェンジが完成する筑北村の太田守彦村長は「(東筑摩郡北部に)麻績と筑北に二つの玄関口ができ、地域の発展に大きく寄与する。両村を周遊する滞在型観光を用意したい」と意気込んでいる。
 長野道の30年の歩みを紹介する特設ウエブサイト(https://nagano30.com/)が24日から公開される。同サイトで5月22日まで「長野道にまつわるエピソード」の投稿キャンペーンも実施する。

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