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松本市町会連合会 募金の集め方問い直し 実態を調査 最善策探る

全487町会の町会長に送った募金アンケート用紙。より良い取りまとめ方法を検討する

 松本市町会連合会(春日孝介会長)は、加入世帯に協力を呼び掛けている赤い羽根共同募金、日赤活動資金、市社会福祉協議会会費の取りまとめ方法について、町会長へのアンケートを始めた。募金の使い道の周知不足や価値観の多様化で、長年続いてきた募金の意義や集め方を問い直す機運が高まっている。地域の実態を把握した上で、幅広い理解が得られる方法を検討する考えだ。

 赤い羽根募金や日赤活動資金、社協会費の3募金は全国で行われている。自治会は任意で協力し、募金は任意だ。集め方は町会ごとに異なり、総会で決議の上で町会費と合わせて集め一括支出する、隣組長が各戸を回って集金する―などの方法が取られている。金額も自由だが、市町村ごとの配分額から割り出した1世帯当たりの目標額や、町会独自に決めた金額を目安に集める所がある。
 しかし、連帯感の希薄化やクラウドファンディングの登場などで「なぜ募金が必要なのか」「募金がなかなか集まらない」など多様な意見が、3募金事務局の市社協に寄せられている。集め方についても「自由に考えを言いにくい空気がある」との声があるほか、各戸を回る町会役員の負担は大きい。
 市が事務局を担う緑の募金は新年度から町会への依頼をやめ、各地区の出先機関に募金箱を置く方法にした。ただ3募金について春日会長は「町会が一切関わらない方向でアンケートをするわけではない。善意の行為がなくならないように最も良い集め方を考えたい」と話す。秋には見直し方針を決める考えだ。
 赤い羽根募金や社協会費は、高齢者サロンの支援や福祉車両の無料貸し出しなど、公的制度の「隙間」を埋めるサービスに使われている。市社協は、募金の具体的な使い道について周知を強化する方針で、丸山貴史常務理事は「長年続いてきた募金の在り方が問われている。だからこそ大切さを訴えていきたい」と話す。