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安曇野市穂高柏原の危険な踏切2カ所 統廃合を検討へ 

 安曇野市や交通安全団体などでつくる市交通安全推進協議会は15日、市役所で会議を開き、穂高柏原のJR大糸線にある危険な踏切2カ所の統廃合を検討することを決めた。塩尻市内で1月に発生した女子児童の踏切死亡事故や、前回の統廃合検討から5年が経過したことを踏まえた。1年かけて通行量調査や協議をし、結果をJR東日本に伝える。

 検討の対象となったのは柏矢町駅の約500メートル北にある「矢原踏切」と、同駅の約200メートル南にある「下柏原北踏切」。遮断機も警報機もない「第四種踏切」で、市内ではこの2カ所だけ残る。
 全国的には第四種踏切で死亡事故が起きており、協議会事務局の市地域づくり課は「交通安全上、危険と言える踏切」とする。
 第四種踏切の統廃合は、市が平成30(2018)に検討した経過がある。通行量調査などに基づいて市とJRが協議し、当時残っていた3カ所のうち「下柏原南踏切」は令和3年に廃止された。矢原踏切と下柏原北踏切については、利用状況を勘案して「保留」となった。特に、矢原踏切は散歩などで利用する人が多いという。
 統廃合の検討に当たっては、今年4~9月の農繁期に通行量調査を予定するほか、周辺地権者の意見を聞いたり統廃合の検討中であることを知らせる看板を設置したりすることを考えている。10月以降に農閑期の通行量調査を実施し、住民アンケートも見込む。来年3月の協議会で統廃合を話し合い、結果をJR側に報告する。
 踏切の統廃合はJR側の判断になる。第四種踏切について、JR東日本長野支社は「できるだけ廃止または第一種踏切に切り替えていく取り組みをしている」としている。