政治・経済

風食防ぐ効果確認 対策協が朝日村で

麦に代わる緑肥作物で覆われた畑の様子を確認する関係者

 県や松本地域の2市2村、農業関係者でつくる「松本南西部地域農地風食防止対策協議会」は14日、麦に代わる緑肥作物を使って風食防止対策を試験実施している朝日村の畑で、効果を検討した。新たな被覆材としてハゼリソウとヘアリーベッチの2種を育て、いずれも風食を防ぐ効果が確認できた。4月中旬まで効果の検証を続け、春先の作付けへの影響や生産者への普及性をさらに検討する。

 試験地にハゼリソウ、ヘアリーベッチの晩生種、ヘアリーベッチのわせ種、裸地、ライ麦の5区画を作り、草丈や土を覆う効果(被覆率)、風食による土の飛散量などを比較検証した。緑肥作物はいずれも昨年10月に種をまいた。被覆率はハゼリソウが96%、麦が94%、ヘアリーベッチのわせ種が81%と高かった。3月初めから小規模な風食が2回発生したが、裸地に比べ、緑肥を施した場所はいずれも土の飛散を防いだ。ヘアリーベッチ晩生種は被覆率が4割程度で、わせ種の方が適しているとみられる。
 麦は風食を防ぐ効果がある一方、春先に草丈が長くなるため分解されるまで時間がかかり、春の作付けに影響する点が課題。新たな被覆材2種は麦より草丈が低く影響が少ないとされ、1月末時点の2種の草丈は麦に比べ半分程度だった。自然枯死が早いハゼリソウは3月初めに完全枯死の状態になった。事務局は「ロータリーをかける作業が容易になると考えられる」と報告した。
 4月中旬に再度検討会を開き、作付けへの影響具合を検証する。試験地は朝日村を含め松本南西部地域に4カ所設けている。事務局の県松本農業農村支援センターは「作業の省力化や低コスト化も意識し検討を深めたい」としている。