松本市の公設市場 在り方見直し 運営手法や機能検討へ

松本市は来年度、市公設地方卸売市場(笹賀)の今後の在り方について検討を始める。平成元(1989)年の開設から34年となり施設が老朽化していることに加え、近年は買い手の競争で値をつける「競り」が減り、物流センターとしての役割が増したことが背景にある。新年度当初予算案に新たな運営手法を検討するコンサルティング業務委託料として1239万円を計上した。
開設当初は競りが盛んに行われていたが、ここ数年は市場を経由せずに生産者と消費者が直接やり取りをして値段を決めることが主流になりつつある。青果で競りにかけているのは地元産だけで、魚など水産物は事前に値が決められているため競りは全くしていない。花きはほとんどの品目で競りを続けている。
市農政課によると、競りが減ったことで生産物を集積する物流センターとしての性格を強めている。競りを主軸とする市場はそもそも必要なのか、物流センターとしての機能のみに集約すべきかが検討課題の焦点になる。
民間のコンサルティング会社に調査を委託し、来年度に複数の方向性の提案を受ける。その後庁内で協議して方向性を決める。市場の卸会社や生産者、消費者の代表でつくる「市場運営協議会」とも意見交換の場を設ける。市農政課の長谷川雅倫課長は「いつまでに結論を出すという期限はないが、時代に合った市場にしていきたい」と話している。