教育・子育て

信大病院の頭痛外来 成果挙げる 開設10カ月

頭痛外来で患者に治療を説明する花岡講師

 信州大学医学部付属病院(松本市旭3)に頭痛外来が開設されて10カ月が過ぎた。適切な診療や新薬の活用で生活の質を改善させた患者がおり、一定の成果が出ている。担当医は頭痛を慢性化させないことが重要と力を込める。

 昨年5月から12月までに約200人が受診し、そのうち片頭痛の割合が4分の3を占めた。ズキズキと痛み、身体を動かすことが苦しくなったり、吐き気を催したりと、片頭痛には人によってさまざまなタイプがある。
 片頭痛への効果の高い注射薬を用いることで、頭痛の起きる日数を半減させることが期待できるという。頭痛外来を担当する、信大医学部脳神経外科学教室の花岡吉亀講師は「月に3日以上頭痛のある人は日常生活に支障をきたし、慢性化の可能性がある」と指摘する。
 月に頭痛が15日以上、薬を使う日が10日以上あり、これらが3カ月以上続くケースを「薬物乱用頭痛」という。こうならないように注意が必要だ。薬物乱用頭痛の場合、薬を飲めば余計に頭痛の回数が増える。花岡講師は「頭痛の軽減のために市販薬を飲めばいいという考えは危ない」と訴える。
 長年ひどい頭痛に悩まされてきた安曇野市の70代の女性は、治療の効果で痛みが軽減され「気持ちが楽になった」と喜ぶ。仕事の忙しい時期は特に激しい頭痛に襲われていたという。
 頭痛外来は月、火、木、金曜日が脳神経内科、水曜日が脳神経外科が受け持つ。頭痛治療については、4月9日にキッセイ文化ホール(松本市水汲)で開かれる信大医学部脳神経外科学教室の開講45周年記念市民公開講座で花岡講師が講演する。
 頭痛外来の予約は信大病院予約センター(電話0263・37・3500)へ。講座に関する問い合わせは同教室(電話0263・37・2690)へ。

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