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塩尻市内発掘の考古資料 松本での保管を経て返却 平出博物館で展示

今年1月に返還された峯畑遺跡出土の「双口土器」

 今年1月に塩尻市に返還された市内出土の考古資料を展示した「帰ってきたお宝展」が平出博物館で開かれている。昭和初期に峯畑遺跡(上西条)で出土したU字形の縄文土器「双口土器」をはじめ、旧石器~平安時代の275点を展示している。31日まで。

 昭和30~50年代に松本深志高校地歴会考古班が発掘した中原遺跡(片丘北熊井)や舅屋敷遺跡(同)の土器・石器、20年代に広丘堅石のリンゴ園で見つかった平安時代の「緑釉陶器」、「瑞花双鳥八稜鏡」などが並ぶ。
 宗賀床尾で出土した弥生時代の「有孔石斧」はこれまで、弥生時代の遺跡がないと考えられていた、床尾地区の歴史認識が変わる可能性のある遺物として紹介している。職員の牧野令さん(38)は「考古資料が地元に戻ることで新たな見解が出てくる可能性がある」と話す。
 いずれも昭和年間に個人や団体が松本市立博物館に寄贈し、長年同館が保管を続けた。新築移転に伴う資料の再整理で、松本市以外で出土した考古資料を元の市町村に戻す事業を行っており、同事業の一環で返還された。
 開館時間は午前9時~午後5時。入場料は300円(中学生以下無料)。休館日は毎週月曜と22日。問い合わせは平出博物館(電話0263・52・1022)へ。