2023.3.9 みすず野
めいの結婚披露宴に招かれた。上京も久しぶりだが、挙式に連なるのは前回いつだったか思い出せない。今時の宴席への関心もあって前日に小欄の出稿を済ませ、朝一あずさの客となった(新型車両は初めて)◆仲人が居ないくらいで流れは基本、昔とほとんど変わらなかった。新郎の勤める会社の重役が洗練されたスピーチ―ああ、上司に褒めてもらえるのは人生でこの時だけだ―で夫婦円満のこつを伝授。友達は「てんとう虫のサンバ」こそ歌わなかったが、漫才みたいに軽妙な掛け合いで会場を笑わせていた◆新婦の叔父(筆者)が松本の者だと聞きつけ、新郎の親族から「若い頃に槍も穂高も登りました。北アルプスの眺めが懐かしいわ」と声を掛けられた。「ぜひまたお出掛けください」と観光PRも忘れない。新婦の実家は小諸市だから文豪・島崎藤村も話題にし「木曽へもどうぞ」と言えれば、なお良かった◆定番の両親への花束贈呈ではめいの涙につられて思わずほろり。皇居二重橋を望む会場のホテルは幾つもうたげが重なり、想像を上回る混雑ぶりだった。すっかりご機嫌のところ電車の時刻が迫り、駅へ全力で走った。