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外国由来の住民 心響く体験語る CTNが松本で日本語スピーチコンテスト

初のスピーチコンテストで最優秀賞を受賞した鎌田ウィパーダーさん

 松本市のNPO法人・中信多文化共生ネットワーク(CTN)は5日、初めての試みとして「まつもとにほんごスピーチコンテスト」をMウイング(松本市中央1)で開いた。市内で暮らしたり、働いたり学んだりしている外国由来の住民の日本語発表や交流の場として企画。タイ、スペイン、ハワイにルーツのある5人が松本地域で感じた自然の美しさや人の温かさを日本語で発表した。

 来日24年になるタイ出身の小山ラティカンさん(51)=松本市=は夫の脳梗塞や死別などこの間の経験を語った。「日本語が少ししか分からない」中で不安だったが「たくさんの人に助けてもらった」。今は多文化共生社会の推進に向けて尽力していると語った。同じくタイ出身の木藤パガーマースさん=安曇野市=は昨年参加した安曇野ハーフマラソンを振り返り「たくさんの声援が走る力になった」と述べた。「これからも一生懸命に挑戦し、自分も一生懸命な人を応援したい」と話した。
 会場では3人の審査員が内容や文法、話し方など8項目を評価し、最優秀賞や特別賞を選んだ。CTN理事長の佐藤友則・信大グローバル化推進センター教授は「努力の成果を見事に発揮した。皆聞く人の心に響く素晴らしいスピーチだった」と講評した。
 留学生向けのスピーチコンテストは市内で開かれているが、外国由来の住民が参加できる場は限られることもあり企画された。各日本語教室の横のつながりを深めつつ、受講生の意欲を高める狙いもありCTNは今後も開催したいとしている。