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障害ある次女との日常を4こま漫画に 安曇野市穂高・原孝雄さん自費出版

著書を紹介する原さんと次女の由香里さん

 元特別支援学校教諭で、生活介護事業など特定非営利活動法人「夢の実」副理事長の原孝雄さん(65)=安曇野市穂高=がこのほど、著書『ゆかりんは四つ葉のクローバー』(東洋出版)を自費出版した。生後間もなく、脳性まひによる体幹機能障害と診断された"ゆかりん"こと次女・由香里さん(36)の日常を描き、SNS(交流サイト)で発信してきた4こま漫画85編と書き下ろしエッセーを載せた。

 「人のできないところやダメなところを掘り起こしていけば愚痴や嫌悪感がたまる。(略)ゆかりんと共に生活していると今できることに目を向ける大切さを教えられる」│。
 プロを目指したこともあった得意の漫画を生かし、平成30(2018)年に制作し始めた4こまは、歩行はできず、手ぶり身ぶりで意思疎通を図る由香里さんが成長の節目ごとに直面する困難、それを打開してきた家族の姿をユーモアに表現し、笑いも誘う。原さんは「ただ、前向きなときばかりではなかったのは当然」とし、自問自答の経験を散文につづった。
 県安曇養護学校勤務など定年まで38年間を教育にささげつつ、由香里さんの居場所作りへ、平成20年に夢の実を立ち上げた。「教育者、支援者としての気づき、親としての学びが伝われば」と願う。
 A5変形判186ページ、税込み1100円。在庫確認や注文は最寄りの書店へ。大手通販サイトで購入もできる。