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田淵行男記念館の桟橋架け替え完了 山小屋風の外観にマッチ

遊水池に架かる桟橋

 安曇野市が豊科南穂高の田淵行男記念館で1月から進めてきた桟橋の架け替え工事が完了した。以前は木製だったが、プラスチックに木の粉を混ぜた「再生木」製で質感が木材に近く、山小屋風の記念館外観を損なわない雰囲気に仕上がっている。工事のための臨時休館が終了し、晴れて4日に開館する。

 桟橋は、遊水池の中に建つ記念館を出入りする唯一の通路。平成2(1990)年の開館から多くの来場者を迎えてきたが、老朽化が進んでいた。全面架け替えは初めて。
 桟橋はスロープを含めた全長が35メートルで、バリアフリー法に対応するため傾斜が以前よりなだらかになった。以前の欄干は筋交いがあるだけで隙間が多かったため、人が落下する心配があったが、新しい桟橋の欄干は格子状で隙間が狭く、安全に配慮されている。欄干が変化したことで以前の桟橋とは雰囲気がやや異なっている。
 記念館は通年開館のため、臨時休館中も開館に関する問い合わせが寄せられていた。中田信好館長は「ほぼ2カ月間休館してお客さんを迎えることができなかった。開館を待たれていた方もいる。暖かくなるので、大勢の皆さんにお越しいただきたい」と願う。
 4日から、昆虫生態の研究家で自然写真家の田淵行男(1905~89)を代表する山岳写真集の一つ『山の季節』の世界を展示で表現した「田淵行男写真展 山の季節」が始まる。田淵と親交があった安曇野市三郷地域在住の写真家・那須野雅好さんの写真展「飛翔~虫と鳥の羽ばたきの世界」も始まる。