スギ花粉の飛散 松本地方でも始まる

松本地方のスギ花粉の飛散が2月28日に始まったことが、1日に確認された。飛散開始日は、一定量の花粉を2日連続で観測した最初の日とされ、1日に要件を満たした。今年は平年(昨年までの10年間平均)より1日遅く、東京千代田区よりも17日遅い。日本気象協会(東京都)の予測よりは1日早かった。
県内では令和3年以降、公的機関による花粉観測が行われていないが、県の観測地点だった県松本合同庁舎(松本市島立)で市内の蓑島宗夫医師=アレルギー科=が独自に調査を続けている。
飛散花粉数は、ワセリンを塗ったスライドグラスを屋外に1日置き、付着した花粉の個数を顕微鏡で数える「ダーラム法」で調べている。飛散開始日は「1平方㌢あたり1個以上のスギ花粉を2日連続して観測した最初の日」と定義される。今年は2月28日と3月1日に要件を満たす量のスギ花粉が観測された。
気象庁などによると、3月は平年と比べて気温が高く、上旬は晴れの日が多い見込みだ。蓑島医師は「飛散ピークは通常なら飛散開始から1カ月後ほどだが、今年はかなり早まり、3月中旬からピーク期に入る可能性がある」とし、速やかな服薬開始とマスクなどの花粉防護を徹底するよう呼び掛けている。