政治・経済

日本で最速 市職員募集 塩尻で1日受け付け開始

「日本最速・最先端の地方公務員募集開始」をPRする市ホームページ

 塩尻市は1日、「日本最速・最先端の地方公務員採用」をうたい、新年度の職員採用試験(令和6年度入庁分)の申し込み受け付けを開始した。民間の採用広報活動開始(就職活動解禁日)に合わせ、市ホームページに募集要項と若手職員PR動画を公開した。ここ数年、試験内容や応募様式を改良して情報収集に敏感な学生らへの訴求力を高めており、優秀で多様な人材の獲得に努めている。

 市職員の採用募集開始は5月1日だったが、本年度(5年度入庁分)に4月1日に早め、今回はさらに1カ月前倒しした。近年の採用活動早期化に「小規模自治体で食らいつくのは塩尻だけ」(市総務人事課)という。全国の大規模な自治体では3月1日に募集を始めた所もあるが、周辺の松本や安曇野に比べて知名度が低い分、危機感がある。
 採用職種は大学卒業程度の「上級」と短大卒業程度の「中級」で、行政職や新設の社会福祉士などの専門職がある。上級に設けた「行政C」区分では従来の教養試験ではなくSPI試験(適性検査)で受験できる。公務員試験対策をしていない就活生にも門戸を広げる。
 市は平成30(2018)年度に筆記試験のうち法律などの専門試験をやめ教養試験のみとし、令和3年度には申し込みを完全オンライン化、4年度に受験者本人のPR動画による「AI(人工知能)適性検査」を本格導入した。4年度の応募は250人で、他自治体が減らす一方で前年度と同水準を維持し、就活生からも好評だった。
 採用試験は4月16日に始め、従来の試験開始時期の6月上旬には内定を出す見込み。採用までの懇談会の充実も検討中だ。若手専門職4人が出演する紹介動画をまとめた総務人事課・髙山真那さん(27)は「新しいものを取り入れる風土があり若者の声も届く」と話す。