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高校生起業家「進化さらに」 深志高3年・加藤あすみさん

Z世代向けのエシカル消費情報メディアを運営する加藤さん

 松本深志高校3年・加藤あすみさん(18)=松本市梓川梓=は、塩尻市が主催する高校生向けの起業家教育プログラム「エヌイチ道場」出身の起業家だ。令和3年春に起業し、10代~20代半ばのZ世代向けに「エシカル消費」(環境や社会に優しい消費行動)を発信する情報メディアを運営している。活動を始めて間もなく2年。今春、高校を卒業する加藤さんは「活動をさらに進化させたい」と意気込む。

 「エシカル」と「クライテリア」(基準)を組み合わせた造語「エシテリア」の名でウェブサイト、インスタグラムを運営している。環境、社会、動物に優しいという三つの基準を定め、基準を満たした店や製品、ブランドを紹介。製品を取り上げる際は、Z世代がときめくか―という観点を重視する。米国でごみを出さない暮らしを実践している10代のインフルエンサーのインタビューも載る。
 加藤さんは中学校3年の時にスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんの著書を読んで環境問題に興味を持ち、青年環境NGOに参加した。活動を通し「同世代が気軽にアクションできるきっかけをつくりたい」と考えるようになった。
 高校1年の冬に偶然エヌイチ道場を知り、受講した。道場は起業家らが集うシビック・イノベーション拠点「スナバ」(大門八番町)が運営しており、加藤さんは4カ月間支援を受けて事業化を目指した。「サポートが手厚く、真剣に相談に乗ってもらった。道場がなければ、これほどの活動はできなかった」と感謝する。
 2年弱の活動を振り返り「いろいろなつながりができた。同世代の友人にも影響を与えることができた」と喜ぶ。卒業後はドイツでの語学留学を経て、英国の大学に進学する。「ヨーロッパは環境先進地。さらに詳しくエシカル消費を発信していきたい」と話している。