奥聖水芭蕉園 再生へ始動 麻績村 おだまきの会 荒廃の湿地帯整備

筑北地域の山野草愛好家でつくる「山野草 おだまきの会」が今春、麻績村聖山中のすずらん湖近くにある湿地帯「奥聖水芭蕉園」の再生に乗り出した。一帯は約40年前にミズバショウなどの苗が植えられ始め、自然散策の場として長年親しまれてきたが、新型コロナウイルス禍で手入れが行き届かなくなり、雑木ややぶが生い茂った。平成28(2016)年から手入れに協力する同会は、一帯が再び自然に親しめる観光地となればと願っている。
4月26日に会員12人が水芭蕉園に集まり、地元組織「聖高原を美しくする会」の協力で提供された資材を活用しながら、ヤナギなど生い茂った雑木を伐採してミズバショウが好む半日陰の環境に整えた。湿地帯にかつて組まれた観察用木道デッキの落ち葉も丁寧に取り除いて歩けるようにした。
会は今後も年1回以上は現地でミズバショウの保全活動に取り組む計画だ。標高約1100メートルにある一帯は、かつてスキー場ゲレンデがあったという緩やかな傾斜地で、別荘とも適度な距離感があり、すずらん湖近くには平地も広がっている。桐山利光会長は「ミズバショウの保全だけでなく、静かで自然豊かな環境を生かしたキャンプ場の整備もできないか、研究していければ」と夢を膨らませていた。