山形村の大池諏訪神社で新調・改修事業進む

山形村上大池の大池諏訪神社で、老朽化した境内の建造物の新調・改修事業が進んでいる。令和6~9年度の4年間の計画で社務所の建て替え、回廊や瑞垣の新調、鳥居の建て替え、神楽殿の修繕などを進める。
6年3月に古い建物が取り壊され新築工事が行われた社務所は昨年12月末に完成した。今春から社務所と本殿・拝殿をつなぐ回廊の新調工事が行われる。建設事業に携わった氏子たちは事業を通じて地域住民が神社に親しみ、祭り行事などの伝統を次世代につないでいく力になることを願っている。
老朽化は懸案で、大正時代に建設され築100年余りだった古い木造の社務所は雨漏りがひどくなり、瑞垣は傾いているところが目立っていた。新築・改修はいずれも木造で行い、備蓄用材や寄付された木などを活用する。
新築された社務所はヒノキ材などを活用。旧社務所と同規模の床面積73・7平方メートルで、14畳の和室、厨房などを備える。男女一緒だったトイレは男女別で設け、快適に使える環境を整えた。和室には一枚板のテーブルを置いた。外装の屋根は数寄屋造り、しっくいの白壁などが特徴的だ。
回廊は10月の例大祭までに新しくなる。8年度は瑞垣の新調、9年度に鳥居の建て替えを計画する。
上大池区と中大池区の住民が氏子になっている同神社は毎年秋に例大祭が行われ、両区が1年交代で祭典を行っている。建設委員長の上条昇一さん(75)=上大池=は「古くなったままでは神社や祭りの維持も危ぶまれてしまう。将来に受け継いでいきたい」と願い、工事を担う籠田工務店の籠田利男会長(74)=同=は「幼少期から親しんできた神社。大きな使命として最後までやり遂げたい」と話している。