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県防災ヘリ墜落事故から8年 松本で追悼式

慰霊碑前で行われた追悼式

 県消防防災ヘリコプターが松本市郊外の鉢伏山に墜落し、搭乗していた県消防防災航空隊員9人全員が死亡した平成29(2017)年の事故から8年となった5日、同市の信州スカイパークにある慰霊碑前で追悼式が開かれた。遺族や阿部守一知事、航空隊員ら51人が参列し、9人を悼んだ。

 慰霊碑の前に9人の写真が並んだ。雨が降る中、参列者は一人ずつ慰霊碑の前に進み、花を供えると静かに手を合わせた。
 阿部知事は追悼の辞で、犠牲者9人の名前を読み上げると「高い志と強い使命感のもと、活動に全力を尽くしたあなた方は県民の誇り」とたたえ「二度と事故を起こしてはならない」と述べた。同航空隊の近藤智宏隊長は「安全はほんの一瞬で崩壊し、二度と元通りにすることはできない。職員全員で、個人で、組織で一丸となり安全文化を築いていく」と誓った。
 式の後、墜落事故で亡くなった高嶋典俊さんの父親・俊郎さん(75)=松本市村井町南=が報道陣の取材に応じ「8年もたったが、風化させたくない。事故を思い出さない日は一日たりともない」と心境を語った。