2025.5.15 みすず野
早朝のラジオで、気象予報士の女性が、若葉越しに青空が見えるような空模様になるだろうと話していた。木々の若葉の下から真っ青な空を見上げる、そんな様子を想像してみた。爽やかな一日をさあどうぞと、運んできたような組み合わせだ◆「風をみたひとが いるかしら?/あなたも わたしも 見ちゃいません/でも 葉っぱが 垂れて ふるえていたら/風が 吹きすぎているのです/風をみたひとが いるかしら?/あなたも わたしも 見ちゃいません/でも 木々が 頭で おじぎをしていたら/風が 吹きすぎているのです」(『やさしいうた 木島始訳詩集』リブロポート)◆イギリスの女性詩人、クリスティナ・ロゼッティ(1830~94)の「風をみたひと」という作品。木々のそよぎ、マスゲームのような草の動き、舞い上がる木の葉、田植えが終わったばかりの水田の水鏡がモザイクをかけたように揺れるとき、風が通ったとわかる◆月が変わると雨の季節が待っている。若葉の時期は意外と短い。目に入る山が、色分けできないほどの淡い彩りで日々変化を見せてくれる。もうしばらくは、その風景を楽しみたい。