松本市の宿泊税 来年6月導入へ 県と歩調 年3億円の収入見込む

松本市が観光振興の新たな財源として導入を目指す市独自の「宿泊税」について、専門家らでつくる市の検討委員会は5日、県税と合わせて「1人1泊300円」とする提言書を臥雲義尚市長に提出した。県と歩調を合わせ、令和8年6月の導入を目指す。導入後の3年間は経過措置として1人1泊200円とする。
検討委の益山代利子会長(松本大学総合経営学部観光ホスピタリティ学科教授)が市役所で提言書を手渡した。
宿泊者に課税する1人1泊300円のうち、市分は1人1泊150円とした。宿泊事業者の事務負担を減らすため、一律定額制を採用する。導入後の3年間は1人1泊200円とし、市分と県分をそれぞれ100円とする。教育・研究活動として宿泊する場合は非課税となる。
市は独自課税で年約3億円、導入開始3年間は約2億円の収入を見込む。市の観光戦略「観光ビジョン」に基づき、観光サービスの充実に充てる。市は宿泊事業者に意見公募し、4月中に最終案をまとめる。市議会9月定例会に条例案を提出する方針だ。
検討委員会は昨年10月に発足し、計3回の会合で提言をまとめた。益山会長は「松本市らしい財源の使い方ができるように独自課税とし、宿泊事業者の種類が多い中でシンプルに定額制となった」と説明した。臥雲市長は「訪れる人の満足度を上げて訪問回数を増やし、長期滞在してもらうことが必要。文化観光産業をしっかりと松本に根付かせていきたい」と述べた。