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木祖村自然同好会が解散 環境保全活動 30年奮闘 会員高齢化 継続難しく

総会終了後、「会の活動に笑顔で幕を下ろそう」と記念写真に納まる会員たち

 動植物の観察会や環境保全活動に取り組んできた木祖村自然同好会(久保畠賢一会長、50人)が、30年余りにわたった活動に終止符を打った。「足元の自然を知る」を合言葉に自然観察や環境整備に励み、ガイドブックの作製といった成果を残してきたが、会員や役員の高齢化や後継者不足といった理由で、活動の継続が難しくなった。

 同会は地元有志が平成6(1994)年に立ち上げ、最盛期は80人の会員が加入した。村内に残る貴重な原生林「水木沢天然林」や峠越えの古道が人気の「鳥居峠」、同会が保全作業に長年尽力した菅の「あやめ池」のガイドブックの作製に関わった。
 会員による動植物の観察記録などを掲載した会報「りんどう」を年3~4回発行し、30年には24年間分の会報を冊子にまとめ、地元の小中学校に配布した。環境保全の功績から、県知事表彰をはじめ木曽地方事務所長表彰や木祖村表彰を受けた。
 村民センターで22日に開いた総会で解散を決めた。5年ぶりの総会は、ちょうど100回目の例会でもあった。久保畠会長は「長きにわたったコロナ禍の中断期間が会員の活動意欲に影を落とした」と残念がった。「30年の歩みは重い。活動を通じて学んだ成果はとても濃いものとして、今後も村の自然と共に残っていくはず」と力を込めた。初代会長で、27年から顧問を務めた澤頭修自さん(92)は「30有余年の月日はあっという間に過ぎてしまった。長続きできたのは皆さんの協力があったからこそ」と感謝した。