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伊勢神宮「式年遷宮」ご神木 熟練の技若手に継承 林業関係者「化粧掛け」学ぶ

ヒノキの丸太の両端をおので削る熟練者の技に見入る若手会員(左)ら

 20年に1度、伊勢神宮(三重県伊勢市)の社殿を新しくしてご神体を移す第63回「式年遷宮」に関して、天皇陛下のご決定である「御治定」を受け、用材を切り出す「御杣山」に決まっている国有林を有する上松町で22日、森林から切り出されたご神木に施す「化粧掛け」の技術を学ぶ研修会が開かれた。熟練者の技術や知識を若手に伝える狙い。木曽地域の林業関係者らでつくり、古式にならった伐採方法「三ツ紐伐り」を継承している保存会の会員10人余りが研さんした。
 ヒノキ材を使い、ご神木の両端を菊の御紋の形に削る「頭巾巻き」を実践した。おので材を削る工程では「体全体を使い、慌てずに取り組もう」「練習なのだから思い切りやったほうがいい」などの助言が飛んでいた。
 ご神体を納める器の用材を上松町の国有林から切り出す祭事「御杣始祭」を6月3日に執り行うことを、神宮の事務をつかさどる神宮司庁が今月14日に発表したばかりだ。保存会の杣頭・橋本光男さん(72)=上松町小川=は「責任感や緊張感の高まりを実感する。若い会員も徐々に熱が入ってきているのではないか」と話していた。