2025.2.28 みすず野
この冬、塩尻市の市街地では真冬日が観測されていないと、昨日付の紙面にあった。松本市では街中に雪がない。雪かきをしないですむ冬はありがたい。日本海側の大雪の映像を見る度に思う◆詩人の岸田衿子さんの「遊び」という詩は雪遊びをうたう。「ゆきの日に ゆきの中で/そりに乗ったときには/お日さまが出ていたのかどうか/お日さまがかくれていたのかどうか/兎がとび出してきたかどうか/麓のほうまで道はのびていたか/道は先のほうまでまがりくねっていたか/すべてはなぞに包まれている/山の上に なにか/きらきら手をふるものがあった/それをたしかめるすべもなく」◆詩人の石垣りんさんは「読者は言葉のそりに乗せてもらい、作者と一緒にゆきの日の雪の中をすべってゆきます。あっという間の短さ、あっという間の長さ」と解説している(『詩の中の風景』中公文庫)◆これから気になるのが南岸低気圧。まとまった降雪もある。この詩を読んでいて、松本の子どもたちはこの冬、雪遊びができないかもしれないと気づいた。雪かきは嫌だけれど、雪遊びができるほどの雪降りなら一度だけはいいかな。