地域の話題

城下町ミツバチ、井上からMIT屋上に 松本のプロジェクト10周年で再出発

MIT屋上にミツバチの巣箱を設置する関係者

 松本市深志2の井上本店屋上で平成27(2015)年に始まった「松本みつばちプロジェクト」が、同市渚2の専門学校・未来ビジネスカレッジ(MIT)に引き継がれることになった。中心市街地で養蜂を行い、付加価値のある蜂蜜を商品化する取り組みだが、拠点だった井上本店が3月末で閉店。継続を模索する中、これまでも商品デザインで連携していたMITが屋上を貸し出すことになった。10年の節目に再出発を図る。

 実施主体の井上や信州蜂蜜本舗(松本市中央1)の関係者が13日に、2~4万匹の巣箱2箱をMIT屋上に設置した。ミツバチは半径約2キロ圏内で蜜を集め、条件が整えば今月末~夏に計80~100キロを採蜜できるという。「城町はちみつ」として販売するほか、過去には和洋菓子やビールなど10種類以上の関連商品を発売しており、今後も新たな商品開発を進める。MITはクリエイトデザイン学科がパッケージデザインで協力するほか、パティシエ・ブーランジェ学科の授業にも応用できないか検討する。
 プロジェクトは都内銀座などの先行事例に着想を得て始まった。緑豊かな松本市街地では「時期ごとに蜂蜜の個性が変わる面白さがある。まさに松本の味」と蜂蜜本舗の深澤博登社長(46)は話す。毎年楽しみにしている市民もいるといい、井上の井上博文副社長(51)は「松本の資源を生かした取り組みが一層広がるように」と期待している。