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ひきこもり脱出へ支援 NPOグランド・リッシュ 1対1で相談応じる

相談会開催を知らせるポスターを手にする若林さん(右)と上兼さん

 社会生活に困難を抱える若者らの支援に取り組む、安曇野市明科中川手のNPO法人グランド・リッシュ(若林美輪代表)が本年度、社会とのつながりが減っている人に寄り添う「社会活動量低下者~なんでも相談会」を市内で始めた。病気や休職などで家の外に出られない人の悩みを聞き、一緒に解決方法を考えたり出かけたりするほか、専門家や行政サービスにつなげる。
 「社会活動量低下者」は、長期間さまざまな理由でひきこもり、仕事や趣味、買い物、レクリエーションなどの活動ができていない人を指すという。明確な理由が分からないため制度のはざまにおり、公的支援がないのが現状だ。病気や障害があっても義務教育が終わると支援が減り、進学や就職がうまくいかずにひきこもる人がいるという。家族も周囲に打ち明けられず、家族ごと孤立するケースもある。
 松本市内で昨年度、相談会を開いたところ、32件の相談があった。「仕事が続かない」「産後に活動が減った」「定年を控えて将来が不安」といった当事者の相談をはじめ、家族から「就職したけれど辞めてしまい、親亡き後が心配」「自分の育て方が悪かったのではないか」といった相談もあった。
 相談会では、NPO法人代表で社会福祉士、精神保健福祉士の若林美輪さん(51)、職員で社会福祉士、公認心理師の上兼裕さん(52)が1対1で話を聞く。相談の電話をすることもハードルが高い人は多く、若林さんは「定期的に開くことで『気が向いたらここへ行けば良い』と足を運びやすくなるのでは」と期待し、孤立を早い段階から防ぐ目的がある。
 安曇野市子ども家庭支援課の受託事業で、月1回、明科公民館で開く。無料で予約は不要。問い合わせは上兼さん(℡080・4435・0576)へ。