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きらめく氷彫、職人技に感嘆 コンクールに力作14点

日の出前、ライトアップされた氷彫作品が並ぶ松本城公園

 厳寒期の松本市街地を氷の芸術で彩る「国宝松本城氷彫フェスティバル」は最終日の26日、松本城公園で前夜から行われたメインイベント「全国氷彫コンクールチャンピオンシップ」の14作品が完成した。全国各地の腕自慢が彫り上げた氷彫が国宝天守と北アルプスを背景にずらりと並び、多くの来場者を魅了した。

 制作は夜通しで、午前5時に競技が終了した。朝方の最低気温は氷点下4度まで冷え込み、日の出前にカラフルにライトアップされた氷彫を一目見ようと訪れた人たちで作品の前に人だかりができた。
 氷彫は「きらめき」「よろこび」「飛躍」をテーマに組織委員会が制作を依頼し、未来に向かって羽ばたくペガサスや不死鳥、平安時代の仲むつまじい恋人たちなど、さまざまな形の作品に仕上がった。
 日の出時刻に訪れた安曇野市穂高有明の農業・曽根原茂彰さん(67)は「松本城と北アルプスを背景に氷彫が映える。壮観な風景を楽しむことができた」と満足していた。午前2時半に起床して来たという飯田市のパート職員・山崎みどりさん(68)は「氷を細部まで彫り込んだ繊細な表現がすごい」と驚いていた。
 各作品は組織委員らが審査し、最高賞の金賞にはホテル従業員2人のチーム「グランドプリンスホテル高輪」(小阪芳史さん=神奈川県、桂田義己さん=千葉県)による、2匹の魚が波の中を躍動的に泳ぐ光景を描いた「氷游の喜び」が選ばれた。