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コーラス指導、34年で終止符 うぐいすの会の講師・上條さん引退

会員と一緒に記念写真を撮る上條さん(前列左から4人目)

 松本市の和田公民館を拠点に活動する女性コーラスグループ「うぐいすの会」の講師・上條美奈子さん(77)=和田=が、23日の練習を最後に引退した。前身の団体を含め、30年以上にわたって100曲以上を歌い、指導してきたが、年齢から退くことを決めた。練習後に会員19人に見守られながら花束を受け取った上條さんは、会員たちの「笑顔で歌い、笑顔で帰る姿」に支えられてきた活動に終止符を打った。

 元小学校教諭で、平成3(1991)年に友人の誘いで7人ほどのコーラスグループを発足し、以降は講師として指導してきた。「歌っている時間が楽しいことが一番大切」と褒めて伸ばすよう心掛け、決して怒らなかった。90代になっても元気に練習に参加してくれた仲間(故人)が印象に残っている。
 メンバーから花束と寄せ書きを受け取った上條さんは、「長い間、ありがとうございました。とても楽しかった」と深く頭を下げた。34年間の活動の中で出会った仲間たちに感謝しつつ、「みんなが笑顔になれる歌の力はすごいと感じている。今まで通り仲良く、和気あいあいと歌ってほしい」と会員たちに呼び掛けた。
 うぐいすの会は、会員が高齢化していた「童謡を歌う会」と「ひばりの会」が統合して令和5年1月に発足。上條さんは前身の2団体でも講師を務めていた。ひばりの会立ち上げメンバーで、上條さんに寄せ書きを手渡した宮下啓子さん(74)は「丁寧に指導してくれた先生のおかげで長年やってこられた」と感謝していた。