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「ながいもの日」 山形村の特産品・長芋を学ぶ

村での長芋栽培の歩みや将来について語るシンポジウムの登壇者

 山形村の特産品・長芋の歴史や特色、多彩な調理法を学ぶ「ながいもの日」が19日、村農業者トレーニングセンターで開かれた。本年度の開村150周年記念事業の一環で初めて企画した。長芋栽培の発展を支えた功労者と若手生産者らが語り合うメイン企画のシンポジウム、記念講演、料理教室などが行われ、村内外の人がさまざまな角度から村を代表する特産品に親しんだ。

 シンポジウムでは、功労者の古川敏夫さん(94)と神通川豊さん(80)、JA松本ハイランドの中村宏・根菜部会長(64)、同JA青年部山形支部の唐沢康裕支部長(46)、村農村生活マイスターの藤澤弘江さん(56)が登壇し、意見を交わした。昭和30年代に栽培の礎を築き、長芋用掘り取り機の開発に尽力した古川さんは「当時村の特産品は乏しく、現金収入を得るため長芋栽培に注目した。昔は手で長芋畑の溝を掘り大変な作業だった」と振り返った。
 神通川さんは村産長芋の品質を左右する種芋の原々種の栽培・選別を長年担ってきたことを振り返った。唐沢支部長は今後の長芋栽培について「諸先輩方が守ってきた長芋を次世代に受け継ぎたい」と語った。藤澤さんは「料理教室を企画すると村産の長芋の味は甘みや粘り、コクがあっておいしいと評判」と胸を張った。
 村農村生活マイスターが用意した長芋料理の展示・試食、長芋にまつわる川柳の展示、長芋の重さ当てクイズもあった。記念講演では、テレビ松本ケーブルビジョン(松本市)の佐藤浩市会長が講演。「2度のがんを経験した私が元気で過ごせるのは毎朝食べている長芋のおかげ」と健康効果を語り「長芋の日」の制定や長芋研究所の開設を村に提言した。