機械時計の構造間近に 松本市時計博物館が100年前の基盤を常設展示

松本市中央1の市時計博物館の入り口ロビー(無料スペース)に、機械式時計の基盤をじかに見られる時計が登場した。体験型の展示を進めたいと考える同館が今月初めに設置した。普段はなかなか見られない時計の構造を常設で見ることができる。電池式時計が増えている昨今、機械式時計の仕組みが学べる展示だ。
高さ65センチ、幅25センチ、奥行き12センチで、外装ケースを取り払った約100年前の機械式時計の基盤を木の一枚板に取り付けている。基盤部分は、市内の時計技師によって表面を鏡のように仕上げる鏡面加工と、細かい線状の傷を付けるヘアライン加工が施され、現代技術で見た目も美しく仕上がった。振り子や歯車などの動きを前方と上下左右方向から見ることができる。
動態展示されている時計約120個のうち、構造がのぞける時計は3個目となった。外装ケースを取り払った時計は特別展で展示されたことはあるものの、常設は初めて。来館者の中には、30分ほどじっくり眺めていく人もいるという。
同館は今後、展示方法も含めて検討・改善していく方針だ。学芸員の小林駿さん(29)は「昔の時計の良さや、動態展示の貴重さを如実に感じてもらえると思う。大人だけでなく子供たちにも時計の魅力が伝われば」と願っている。