ガソリン値上げに市民悲鳴 全国最高値続き200円目前

ガソリン価格を抑制するために国が石油元売り事業者に支給する補助金が16日に縮小されたことを受け、中信地区のガソリンスタンドでも値上げの動きが見られた。補助金の減額は昨年12月に続き1リットル当たり5円ほどで、ガソリンの店頭価格も同程度引き上げられる。最需要期の灯油も含め、家庭や事業者へ影響が広がりそうだ。
資源エネルギー庁が15日に発表した県内のレギュラーガソリン店頭価格は、1リットル当たり平均で190円60銭。全国平均を10円ほど上回り、都道府県別の最高値が長く続いている。
松本市惣社でガソリンスタンドを営む東石油は前日よりも一律5円上げ、レギュラーで1リットル当たり194円となった。事前の駆け込みは12月と同様に目立たず、原佳範社長は「何でも高いので、お客さんもあきらめている」とみる。ガソリン減税の議論はあるものの、原油高騰や円安に加え、補助金は今後も段階的な減額が見込まれる状況に「安くはならない。もうけが増えるわけでなく、客足が遠のけば売り上げが減り、いいことはない」とため息をついた。
給油に訪れた市内の会社員男性(25)は「高い。どんどん上がるので、車の利用は控えようか」。会社員の女性(45)は「車がないと生活できない。値上がりは困るけれど、やりくりするしかない」と話し、自営業の男性(54)は「あがいたところでしょうがない」とあきらめ顔だった。
別の石油販売会社も4円値上げした。「元々ないもの(補助金)があっただけ」と冷静に受け止めながら、灯油の需要期を踏まえ「信州は寒さが厳しい。時期をずらしてほしかった」とする。
冬場は加温用の灯油使用量が増える入浴施設にも打撃となる。同市石芝3の「林檎の湯屋おぶ~」は、これまでも値上がり対策に手を尽くしてきた。中野淳一郎マネジャーは「ガスや電気を含め全て値が上がり、光熱費削減にも限度がある。厳しい」と憂えていた。