政治・経済

初の自然体験学習修了 生坂村の課題解決に取り組む

修了認定証を手に藤澤村長(中央)らとともに記念写真に収まる参加者たち

 生坂村が「生物多様性」や「ネーチャーポジティブ(自然再興)」をテーマに、9月から開いた初の体験学習プログラム「旅するいきもの大学校!」が11日、最終回を迎えた。受講者31人とスタッフ15人の計46人が村公認の自然研究員(フェロー)として認定され、活動拠点の下生坂雲根で藤澤泰彦村長から修了認定証が贈られた。参加者は自然体験を通じて村への愛着を深めた半年間のツアーを振り返った。

 同プログラムは観光庁の再来訪促進型の観光事業「第2のふるさとづくりプロジェクト」のモデル実証地域事業の一環。関東地方を中心に32人が参加登録し、野生動物の生態調査のほか、竹やぶの伐採、落ち葉の堆肥づくりなど村の課題解決に取り組んできた。
 環境学習をサポートした立教大学の奇二正彦准教授(49)=東京都=は修了式の講評で「生坂村がすごいのは地域課題を(今回の生物多様性と村が取り組む脱炭素という)一つ上の階層で捉え、観光ツアーのコンテンツにしてしまったこと」と述べた。その上で「ぜひこの場所を皆さんが生きがいを持って楽しむ舞台にしてほしい」と呼び掛けた。
 認定証を受けた都内の会社員・柴田笙子さん(29)は「里山の自然と人との共生を考え議論できたのが有意義だった」と喜んだ。
 参加者の多くがリピーターとして事業の継続を希望しており、村は4月以降に同プログラムの第2期が始動できないか検討する。