木曽郡内でどんど焼き 小正月の行事 立ち上る炎に平穏願う

「賽の神」とも呼ばれるやぐらを燃やして五穀豊穣を願う小正月の伝統行事「どんど焼き」が、3連休の11~13日、木曽郡内の多くの集落で行われた。松飾りを燃やす炎が空を焦がし、住民たちが一年の無病息災を願った。
木曽町福島の中畑、本町の両区は12日、いずれも木曽川河川敷で行った。中畑区のどんど焼きは、松やナンテンで色合いも鮮やかに飾られたやぐらを約20人の住民が囲んだ。区長の福川功さん(77)は「近年は異常気象や災害が相次ぐ。区民の皆さんが健康で平穏に暮らせるように」と願っていた。
新年会を兼ねて開いた。残り火で燗をつけた酒を竹杯で酌み交わすのが恒例で、田村春夫さん(80)は「竹の燗酒は味がまろやか。悪酔いもしない」と笑顔だった。
本町区では、今年の年男年女や厄年の人たちが、わらで編んだ縁起物の「鯛」に火をつけて、点火役を担った。炎は瞬く間にやぐらを包み、高さ3メートルほどのてっぺんのだるまも焦がした。
今年は後厄に当たるという川合潤吾さん(60)は、地域住民の安泰を願いながら「自分自身にとっても健康を第一に願いました」と話していた。立ち上る火柱に手を合わせる観光客の姿もあった。