塩尻市の人口0.6%減の6万5193人 1月1日現在 大門地区以外9地区で減
塩尻市の1日現在の人口(住民基本台帳人口)が7日までにまとまった。外国人を含む総人口は前年同日比0.6%(420人)減の6万5193人(男性3万2699人、女性3万2494人)だった。地区別では大門のみが増え、他9地区は減少した。5年前の令和2年からは2.7%(1822人)減り、令和14年の目標人口に「6万5000人以上」を掲げる市に厳しい状況が続く。
人口を地区別に見ると、大門が前年同日比で1.5%(147人)増加した。約13.7ヘクタールの農地を宅地化した塩尻駅北土地区画整理事業の効果とみられ、大門七区が市内で最多の204人増えた。減少率が最も高いのは楢川の3.4%(70人)で、周辺の減少率が高い。市全体では昨年1年間の転入などの「社会増」は35人だった。年間の死者数は出生数の2倍の800~900人で、人口層の厚い「団塊の世代」を含む75歳以上人口が17.5%いることから、今後10年以上はこの死者数が続くと見込まれている。
一方、世帯数は2万9069世帯で、前年同日に比べ0.7%(195世帯)増えた。単身世帯の増加や世帯分離が考えられ、国立社会保障・人口問題研究所の推計では、世帯数は令和12年のピーク後に減少に転じるとされ、市も同様の傾向だという。
本年度始まった、令和14年度までのまちづくり方針「第6次市総合計画」には、目標人口を6万5000人以上と掲げる。14年時点の市の推計人口は6万3273人で、目標達成には2.7%(1728人)以上押し上げる必要がある。
市は合計特殊出生率(令和5年の1.34→令和32年目標1.82)の改善や生産年齢人口の転入者増、健康寿命引き上げの観点で政策誘導を図る。土地を有効活用する宅地開発や空き家解消に力を入れ、住環境を整える。
人口減少を抑制しつつ、総合計画で初めて導入した「市民幸福度」の向上も踏まえ、太田文和企画政策部長は「生まれてから亡くなるまで活躍できる総合的な事業展開をしていく」とする。