2025.1.5 みすず野
「小寒の氷大寒に解く」ということわざがある。『広辞苑』に、通例だと最も冷え込みの厳しい大寒が、小寒よりも暖かで「物事が必ずしも順序通りにゆかないことにいう」と意味を教わる。きょう小寒。二十四節気の一つで、寒さが本格的になってくるとされる◆日本の風習や年中行事について書かれた本によると、小寒を「寒の入り」ともいい、そこから節分までの約1カ月間を「寒の内」と呼ぶ。喪中に年賀状をいただいてしまった場合、寒の内に寒中見舞いとして返事を出すのがいいという。喪中の相手への年頭のあいさつ状として出すのもいいそうだ。寒い時期の便りであり、相手の健康を祈る言葉を忘れないように、とも◆「寒の入りから9日目を寒九といい、寒九の雨は豊年の前兆といわれる」(『合本俳句歳時記第4版』角川学芸出版)。農業を営む人には一年を占う大切な日だ。もっとも松本・木曽地方は、このころに降るのは雨でなく、雪だろう◆農作業は、もう始められたのだろうか。会社勤めなら明日が仕事始めの方、多いのでは。新年の抱負を抱きつつ、順序通りでないこともあると念頭に、じっくり始動したい。