長野道 筑北SIC利用好調 開通1年 流通業者の活用多く

筑北村西条の長野道筑北スマートインターチェンジ(SIC)は17日、開通1周年を迎える。県内初となる本線直結型のETC専用ICで、管轄する東日本高速道路(ネクスコ東日本)は利用者数を公表していないが、村は「好感触を抱いている」と実感。県内2大都市の松本と長野の中間にある立地を生かし、開通効果が企業誘致や産業育成につながることを期待している。
村建設課によると、計画段階では令和12(2030)年時点の計画交通量(利用目標)は一日700台だったが、開通後1カ月で同社から「目標値超え」の報告があった。その後も一定の利用が続いており、花岡牧彦課長は「最初は付近の国道403号が長期通行止めになった影響かなと考えたが違った。大型トラックも利用可能なフル規格なので、通勤だけでなく流通業者も多く利用しているようだ」と話す。
トラックを運用する臼杵運送長野配送センター支店(安曇野市明科南陸郷)は「開通後、長野方面へ向かうドライバーのSIC利用が増えた」とする。松本方面へ向かう場合の安曇野IC利用との使い分けも見られ、山崎義徳副支店長は「朝の渋滞回避など移動の時間短縮やドライバーの負担軽減につながる」と話す。
村の観光にも好影響が出ている。村観光課によると、県外客が大半の西条温泉とくらの昨年12月~今年11月の一般宿泊者数は3359人で、前年同期比で35.6%増となった。村教育委員会によると村外者も訪れる村サッカー場・本城グラウンドも利用者が増えた。いずれもSICに近い。
村商工会は「SIC周辺は流通系にとって魅力的なハブ拠点となり得る」とみる。
村はSIC周辺に工場団地を設けて企業誘致を進めており、太田守彦村長は「アクセスの良さから倉庫・運送業など数社から相談を受けている。立地の良さを生かして総合的に判断したい」と期待する。