大病、骨折乗り越え喫茶店「かあちゃん珈琲(豊科)」再開 松本の御子柴さん

安曇野市豊科南穂高の喫茶店「かあちゃん珈琲」を営む御子柴高江さん(82)=松本市島立=が、昨夏に発症した脳梗塞とその後の大腿骨骨折にめげず、再び店に立ち始めた。右手足のまひや、しゃべりにくさがある後遺症にも臆せず、社会生活を取り戻している。
昨年7月から半年間の入院生活後、営業を再開したが、間もなく店で転倒。再び3カ月間の入院を強いられるも再度、復帰を果たした。発症前とほぼ変わりない水、木、土、日曜日の午前9時~午後4時に店を開け、飲み物類やケーキセットに限ったメニューをカウンター越しに注文客へ手渡しする。
週2日は介護老人保健施設ハーモニー(松本市島内)に通所してリハビリに励み、作業療法士の今川聡子さん(37)は「もともと働き者で熱心な姿が周囲も元気にしてくれる」と話す。相澤居宅介護支援事業所にいむら(松本市島立)のケアマネジャー常田宏樹さん(46)は「店に戻るどころか、歩行できるだろうかと心配した」と回復力に驚く。
松本市白板に50代で開業した「小料理寿」の経営を経て8年近く前、次男の浩司さん(50)が切り盛りする飲食店「こうちゃん」の一画に、自身の年齢と体力を踏まえたかあちゃん珈琲を「住民の居場所づくりができたら」と構えた。そんな思いをくみ、送迎などで支える浩司さんは「頑張ってやってる人がいるんだなということが地域の方に伝われば」と話す。