塩尻・すみれの丘がジャム改良 矢沢加工所が協力 瓶詰めで長期保存可能に

塩尻市広丘野村の就労支援事業所・すみれの丘は今冬、利用者たちが畑で育てたハックルベリーのジャムを、瓶詰めにリニューアルして発売した。従来は施設内で作ってプラスチック容器に入れて販売していたが、保存期間が短いのが課題だった。長期保存と、一年を通じての販売が実現できれば、利用者の新たな仕事と工賃の確保につながるとし、矢沢加工所(下西条)に製造と瓶詰めを委託した。
すみれの丘によると、ハックルベリーは見た目はブルーベリーに似ているが、芋の仲間で生食はできない。肥料がなくても育つため、栽培費用を抑えられる利点があり、販売用にさまざまな野菜を育てている畑の一角で、5年前に栽培を始めた。
今年は約100キロ分を収穫した。枝に付いた実を一粒ずつ手でもぎ、小さなへたも取り残しがないようにした。利用者たちは「へたを取るのが大変だった」と、口当たりの良いジャムに仕上げる努力を惜しまなかった。
瓶詰めジャム(140グラム入り)は1個800円(税込み)で、約300個の限定販売となる。従来のジャムは市販のレモン汁を加えたが、矢沢加工所では生のレモン汁を使っており「すっきりとした後味でおいしい」(すみれの丘)という。
今後は、実に含まれる健康や美容に良いとされる栄養成分を表記し、美容ブランド会社や道の駅などに委託販売して販路拡大を目指す。すみれの丘サービス管理責任者の西澤かをりさんは「冬に入ると販売できる野菜が減ってしまう。利用者の方たちができる仕事、工賃になるものとして、ハックルベリーを新たな基盤にしたい」と話している。問い合わせは、すみれの丘(電話0263・87・4012)へ。