美しい山の景観残そう 中部山岳国立公園90年 松本で式典 登山家ら対談

北アルプスほぼ全域を区域とする中部山岳国立公園の指定から90周年を記念する式典が7日、松本市深志3のまつもと市民芸術館で開かれた。長野、岐阜、新潟、富山の4県14市町村にまたがり、昭和9(1934)年に初めて国立公園として指定された。山岳関係者の対談が催され、大勢の来場者が山との向き合い方を考えながら耳を傾けた。
世界的なアルピニストの野口健さんと、山岳ライター・小林千穂さん=山梨県北杜市=の対談では、持続性のある登山道維持のあり方・入山料の活用などが話題になった。自分に合った山行計画の立て方について、野口さんは「安全にお金をかけることは大事。自信がなかったらガイドをつけよう」と助言し、小林さんは「山と自分とのマッチングは難しい。山の(登山の難易度を表した)グレーディングを役立ててほしい」と話した。
関係機関でつくる実行委員会が主催した。開会宣言で、実行委員長を務める環境省信越自然環境事務所の酒向貴子所長は「日本を代表する傑出した山岳景観を次の世代に継承するために、どのように山と向き合い行動するか見つめ直したい」とあいさつした。