英語で感謝 中山道にメモ 上松町 旅人 景観守る住民に宛て

トレイル(小道)のこの部分を整備している方に感謝します。本当にすてきです!―。
上松町荻原倉本の中山道に、旅人からの英語のメモが残されていた。歩きやすい道への「ありがとう」の気持ちが伝わるメッセージだ。草刈りに汗を流している住民は「なによりの贈り物」と喜んでいる。
メモは、街道沿いの道しるべ脇の小枝に留めてあった。東京の美術館で発行されたレシートの裏にしたためてあり「♡ダニ・T オーストラリア」の署名があった。
一帯は未舗装の土道が残る100㍍ほどの坂道で、日本の原風景を残す一方で、手入れが欠かせない区間でもある。「赤線」と呼ばれる里道で行政の手が入らないため、地元の小林治美さん(75)と小松光明さん(71)が長年、交代で草を刈っている。
2人は、メモを見つけて「感激してくれる人もいるんだと顔を見合わせた」と笑う。中山道はかつて江戸と京都を結んだ街道で、宿場や一里塚などが歴史的に残り、多くの外国人観光客が歩く人気スポットになっている。「その中で『この部分(倉本の坂道)』に感激してくれたのならうれしいし張り合いにもなる。来年も頑張って草を刈らなければね」と目を細めている。