「僕がやる」昇降口で朝掃除 昨年秋から自主的に 塩尻志学館高2年・塩原さん
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塩尻志学館高校(塩尻市)2年生の塩原功汰さん(16)は、毎朝7時ごろに登校し、1人で昇降口の掃除をしている。学校のため、全校生徒のためになればと、昨年9月に始めた。自宅のある安曇野市明科を6時ごろに出て、多くの生徒が登校する前に、げた箱の床に落ちている砂や、舞い込んだ落ち葉をほうきで掃き、モップをかけてきれいにしている。
1年生の前期に、前校長が昇降口の掃除をする姿を何度も目にした。「見ているだけで自分が何もしないのはあり得ない。お世話になっている学校に恩返しがしたい」と後期に実行開始。その日一日、新鮮な気持ちとやる気に満ちた。「掃除をやめたくない。今日から僕がやる」と心に決めた。
明科駅午前6時20分発の電車で通学する日々だ。7時15分ごろから8時ごろまで昇降口で掃除をし、秋と冬は屋外の落ち葉掃き、春と夏は花の水やりもしている。特に大変なのは、寒い日と、風のある日。「寒くて、(勉強による)寝不足の日はつらい」と笑う。1年以上雨も雪も関係なく続けてこられたのは「清掃は面白い」から。「どうすれば砂が取り除けるのかなとか毎日が試行錯誤で、実験で、パターンは無限」ときっぱり答える。
学習面では、生物学や化学に興味がある。教科書を見ていると「何で」と疑問が湧いて追究したくなるという。「自分で行動すれば疑問が出てくる。自分で動かないと疑問が出てこない。掃除も勉強も同じ」と意欲的だ。高校卒業まで清掃活動を続けることを目標にしている。