塩尻ワインPRへ連携 サントリーとメルシャン 2施設合同 見学ツアー
塩尻市に加工用ブドウ栽培とワイン醸造の拠点を置く、サントリー塩尻ワイナリー(大門)とシャトーメルシャン桔梗ケ原ワイナリー(宗賀)は30日、初の合同イベントを開いた。塩尻ワインの認知度向上を目指す狙いで、両施設を同時に特別開放し、見学ツアーを企画した。2社のワイナリー長がそろって午前・午後に各施設を会場とした特別セミナーも催し、来訪者を楽しませた。
有料の合同特別セミナーには2施設で県内外から計約30人が参加した。いずれも平成17(2005)年に入社し本場フランスで研さんを積んだワイナリー長で、サントリーの齋藤卓さん(44)とメルシャンの高瀬秀樹さん(44)が、今年のブドウの作柄や塩尻のテロワール(ワインを取り巻く自然環境)、今後の挑戦について語った。
市内のブドウ産地も桔梗ケ原だけでなく岩垂原や片丘、柿沢と多様化しており、参加者はワインが育まれる歴史・気候風土を理解しながら2施設で用意された赤白計9銘柄のテイスティングを楽しんだ。長野市の会社員・小山俊さん(46)、美由紀さん(52)夫妻は「塩尻の土地の特性を聞きながらワインが飲めて価値があった。県全体でワインを盛り上げる活動を」と願った。
サントリーの齋藤さんは「進化していくにはワイナリー間で連携協力し魅力を伝えていくことが必要。輪を広げたい」と話し、メルシャンの高瀬さんは「来年以降も継続したい」と語った。出席した百瀬敬市長は「長く塩尻をけん引したグローバル企業で、塩尻だけでなく日本のワイン(産業)を盛り上げていただきたい」と期待した。