連載・特集

2024.12.17 みすず野

 2週間後のきょうは大みそか。お寺では年末の恒例行事の除夜の鐘が突かれる。間もなく日付が変わる頃から、荘厳な鐘の音が聞かれるというのが当たり前だと思っていたが『月刊住職』(興山舎)12月号には「除夜の鐘は深夜か昼間か住職の決断」という記事があって驚いた◆除夜の鐘は「昼の開催を選択するお寺も多くなり、迷っておられるご住職も多いのではなかろうか」といい、昼の実例を挙げる。群馬県邑楽町の寺は8年ほど前から夜に加えて昼間も行い、昼の参加者のほうが多いという◆同県館林市の寺は3年前から昼に移行。「年忘れの鐘」として好評だとか。高齢者と子ども連れが増えたそうで、除夜の鐘の意義を損ねないかという問いには「家族で鐘をついてもらうほうが、今の時代に合っているのでは」と答えている◆昨年度まで3年間、地元の寺の役員をした。除夜の鐘は30日から準備。大みそかは夜集合して火をたきながら訪れる人を接待。境内では住職の読経でお札などを燃やす。厳しい寒さの中、くたくたになって帰るのは午前2時頃。昼間の開催に首をかしげつつ、負担を軽くする一つの方法だろうかとも思う。