地域の話題

防災士委員会が発足 木曽福島地域協議会 安全安心の担い手連携

原会長から委員の委嘱を受ける資格取得者(左)

 木曽町の自治組織・木曽福島地域協議会(原隆会長)は28日、地域防災のリーダー的役割を期待される民間資格「防災士」の取得者でつくる防災士委員会を立ち上げた。町内四つの地域自治組織で初めてとなる。学んだ知識・技能の発信を通じ、災害に備える意識を広め、高めていく。

 同協議会の安心安全・支え合い部会の一組織となる。木曽福島地域(福島、新開)在住の資格取得者の男性15人が加入した。年齢層は20~70代で、会社員、自営業などさまざまだ。同日夜に町役場で発足式を開き、委員長に古坂貴幸さん(60)=福島、木曽町商工会事務局長=を選任した。今後の活動については、他地域の防災士の先進的な活動を学ぶことなどを話し合った。
 加入した会社員・細井永寿さん(55)=新開=は、平成23(2011)年の東日本大震災や28年の熊本地震の際、自社関連の現地事業所の応援勤務をしたことがきっかけで、資格を取得した。「自分の地域を守るために学んだことを生かせれば」と思いを語った。
 防災士は、NPO法人日本防災士機構(東京都)が認証する資格。取得するには、2日以上の研修で災害の仕組み、地震や風水害への備え、自助・共助などの知識を学び、資格取得試験を受ける。救急救命講習の修了も必要。資格取得者は、普段は身の回りの災害対策や防災啓発に努め、災害時は避難誘導などへの協力も期待される。
 町は本年度、防災士資格取得の経費助成制度を新設するなど、地域防災の人材として期待する。把握しているだけで町内の資格取得者は29人。今後は、木曽福島以外の防災士も含めて連携構築を進めていきたいとしている。