朝日ゆかりの作家に光 美術館で特別展

朝日村の朝日美術館で24日まで、同村西洗馬上組出身の日本画家・柳澤観風(1894~1976)の生誕130年と、茅野市出身で嫁ぎ先の村を拠点に40代後半から日本画家として活躍した三村悠紀(1924~2006)の生誕100年を記念した特別展が開かれている。村ゆかりの2人が日本画と共に歩んだ日々や傾けた情熱を、それぞれの作風が光る作品を通じて紹介している。
柳澤観風(本名・春三郎)は明治末に村を訪れた画家・観雲の影響で画家を志したとされ、身近な動植物や風景をみずみずしく透明感のある筆致で描いた。持病の治療のため家族で都内に移り住んだ後も村には度々訪れ、村内の民家にも作品が残る。古典的な作風の中に鋭い感性が光り、館収蔵品からよりすぐった29点を展示している。
三村悠紀(本名・ゆき江)は、村の開業医だった夫・三村大八郎に嫁いで2人の子供を育て、47歳で本格的に描き始めた。芸術文化に造詣が深かった夫の支えもあって美人画で著名な加藤晨明らさまざまな画家に師事、多くの美術展で入選するなど活躍した。豊かな色彩で花々や国内外の旅先で出会った人物、優美な舞子の姿を描き、創作への熱意を抱き続けていたという。館収蔵品と家族所蔵の36点、師事した画家の作品を展示している。
館学芸員の青木啓子さんは「日本画への強い思いを持ち、たくさんの魅力ある作品を制作した郷土の誇りといえる2人。ぜひこの機会に見てもらえたら」と願う。
午前9時~午後5時。月曜休館。問い合わせは同館(電話0263・99・2359)へ。