誰もが音楽を楽しめる信州に 松本の作曲家・渡辺さんら「やまびこラボ」立ち上げ
松本市の作曲家・渡辺裕紀子さん(41)ら長野県ゆかりの音楽家3人が、誰もが身近に音楽を楽しむ信州を目指して「やまびこラボ」を立ち上げた。西洋音楽の枠にとらわれず、豊かな自然環境にも音楽を見いだすライブやワークショップ(WS)を展開。子供たちの感性を育み、若い音楽家の活躍の場にもつなげていく。16日には山の稜線から発想する音楽創作のWSと演奏会を市内で開く。
メンバーは渡辺さん、作曲家の松本真結子さん、バイオリニストの加藤綾子さん。昨年始動し、市あがたの森公園などで子供向けWSを開いてきた。音楽の原点でもある「音を聞くこと」「音を伝えること」を実践しようと屋外で自然の音を描写し、そのスケッチを音楽家と一緒に音楽へと変換。一人一人が作り手となり、音楽の懐の深さに触れるひとときを楽しんだ。
16日は午後2時から出居番丸西(同市城東1)で「みんなで作る音WS」を、午後5時と8時にはbooks電線の鳥(同)で演奏会「信州の音」を、それぞれ開く。WSでは山の稜線をメロディーに置き換える創作を試み、演奏会の中でも披露する。
渡辺さんは松本深志高校(松本市)から桐朋学園大学(東京都)に進み、卒業後は現代音楽の作曲家としてオーストリアやドイツで活動。帰国後に故郷で仲間とラボを立ち上げた。「特別な存在でなく日常に音楽に親しむ下地を」「地方出身の音楽家が郷土に関わりを持つ場を」などの思いがあったという。信州の音環境の可能性に触れ「耳を開き、感性を開き、新しい音楽を皆で見いだしていきたい」と話している。
16日の問い合わせはEメールでやまびこラボ(yamabico.lab@gmail.com)へ。