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波田文化センターの展望室 無料開放始める

ガラス窓に囲まれた展望室。のどかな里の風景が眼前に広がる

 松本市波田文化センターが今秋、4階展望室の無料開放を始めた。これまでは他の会議室と同様に予約制の有料利用に限っていたため、認知度が低く訪れる人が少なかったが、開けた眺望を多くの人に楽しんでもらおうと指定管理者の市芸術文化振興財団が判断した。四方を窓に囲まれ、天窓までついた空間は明るく爽やかで、ふらりと立ち寄る人が増え始めている。

 30平方メートル弱のほぼ正方形の展望室を、開館日の午前9時~午後5時に開放することにした。梓川の河岸段丘の中腹に位置するセンターの立地が幸いし、北西方面に緩やかに下りながら開ける田畑や里の山々、南東に広がる波田地区の中心部を見渡すことができる。天井はピラミッド状のガラス窓になっており「夏場は暑い」(同センター)が、これからの季節は差し込む日光でぽかぽかと暖かだ。
 センターは旧波田町時代に情報文化センターとして開館し、来年で30周年を迎える。当初より展望室は存在したが、館内のホールや図書室などに比べて認知度が低かった。そこで9月に無料開放を始めたところ、日中に高齢者が訪れたり、夕方には学校帰りの若者が立ち寄ったりと少しずつ利用が増えてきた。
 センターの山岸尚志館長は「読書をするもよし、休憩するもよし。眺めに癒やされながら憩いの場として利用して」と話している。展望室貸し切りの有料利用は今後も対応する。