地域の話題

世相切る瓦版 今年も鋭く 妻籠宿 藤原宗三さん 23日の時代行列で配布

世相を鋭く切り取る今年の瓦版と手掛けた藤原さん

 南木曽町の妻籠宿で毎年11月23日に開かれる時代行列「文化文政風俗絵巻之行列」で来場者に無料配布される瓦版が、今年も完成した。地元住民の藤原宗三さん(84)が例年手掛けており、政治やスポーツ、天災など1年の国内外の世相を鋭い筆致と絵で切り取る。

 1月1日に起きた能登半島地震や7~9月のパリ五輪・パラリンピック開催、全国で起きた米不足などに触れる。政治資金問題に揺れた自民党には、総裁の交代で「禊とする勿れ」とくぎを刺した。
 4月に南木曽の町長と町議会議員の選挙があり、町議には40~50代の新人2人が当選した。「新風が期待されてる」とエールを送る。町の人口減が進む中、かつて町並み保存事業に乗り出し「うらぶれた集落から世界の妻籠」とした「先人の発想に負けるな若人よ」と今後のまちづくりに期待を込めた。
 書きためたメモから話題を選び、約1カ月かけて10月上旬に仕上げた。その後、ノーベル平和賞を日本原水爆被害者団体協議会が受賞するなどの話題があり、一部加筆した。藤原さんは「読む人に投げかけるものがあるよう心がけている。日々のニュースに関心を持てるような瓦版になっていれば」と願う。
 住民組織・妻籠を愛する会が2000部を発行した。行列当日は瓦版売り役が来場者に配って回る。