テレビでオンライン診療 麻績の特養で実験

松塩筑木曽老人福祉施設組合(塩尻市)は29日、運営する麻績村の特別養護老人ホーム・サンライフおみで、テレビを使ったオンライン診療の実証実験を行った。高齢者が見慣れているテレビ画面での診療は精神的負担が少なく、定期診療する医師の往診が困難な感染症流行時や緊急時に迅速な診療が期待される。組合は今回の結果を受けて早期の導入を目指す。
テレビ松本ケーブルビジョン(松本市)と連携した取り組みで、専用の受信機とアプリケーション、ウェブカメラを用い、高速インターネット回線によるテレビ通話でオンライン診療を行う。遠く離れた家族もほかの端末から診療に立ち会える。
実証実験では、施設の嘱託医が医務室のテレビ越しに利用者を診療したほか、ベッドで寝る利用者の患部をタブレット端末の内蔵カメラで撮影してもらいながら経過観察もした。サンライフおみの嘱託医で、天祐堂松林医院(筑北村西条)の医師・松林茂之さん(62)は「触診できないなどの制限はあるが、すぐ見られ視覚で多くの情報が入る。非常に診療しやすい」と話していた。
組合は中信地方で特別養護老人ホーム10施設を運営している。池田光宏事務局長は、早ければ年度内の導入を目指したいとし「今後(各施設に)広げていけるかをしっかり確認し、嘱託医の先生方にも導入を促していきたい」と話していた。