塩尻市・空き家バンク登録物件の改修紹介 26、27日上西条で見学会

塩尻市の空き家バンクへの登録を経て、リノベーション(中古住宅の改修、リノベ)された中古住宅の見学会が26日と27日、上西条の現地で行われる。施主の希望や予算の制約、周囲の状況などを踏まえる中で、各種補助金を活用し、より良い改修を目指す実例を確かめられる。
リノベの設計に当たった大門七番町の住まい考房が主催し、空き家バンクに携わっている、しおじり街元気カンパニー(街カン)が後援する。空き家バンク登録の経緯があるリノベ物件の見学会は初めて。
対象の住宅は昭和50(1975)年に主要部分が建てられた。在来工法の木造2階建て延べ176平方メートルで、市内在住の前の所有者が街カンに処分を相談した。売却の意思を確認し、4月に空き家バンクに登録された。
上下の座敷があり、間取りが細かい建物を、現代の生活になじむように改修した。1階の台所と茶の間を一体化してフローリングのLDKとした。二つの和室があった空間に屋内外から出入りでき、農機が入る農業用倉庫を設けた。手直ししつつ残した和室もある。耐震補強も施した。
新しい所有者は東京都の若い夫婦と幼い子供2人の家族で、農作業をしたいという希望があるという。施主の考えを丁寧にくみ取り、設計に反映させた住まい考房の代表取締役・清水宏さん(1級建築士)は「空き家改築の実際を見てほしい」と期待する。
9月現在で累計登録が329件の空き家バンクは売買や賃貸の契約成立が堅調に推移しており、同時点では51件が登録されている。見学会は清水さんの提案で、所有者の理解を得て実現した。街カンの藤森茂樹社長は見学会について「空き家バンクそのもののPRにもなる。ありがたい」と話す。
見学会は26日午前10時~午後3時半、27日午前9時~正午。予約制。問い合わせは住まい考房(電話0263・53・8388)へ。