松本教会のパイプオルガンを初の分解修理 お披露目兼ねて19日に演奏会

松本市開智2の松本教会に"市内初の本格的なパイプオルガン"として昭和56(1981)年に設置されたパイプオルガンがある。薄桃色の上品な姿で礼拝堂に立ち、多くの市民の祈りや思いを乗せて音色を響かせてきた。同教会は今春、オルガンの末永い継承を願って設置以来初となる大々的なオーバーホール(分解修理)を実施。生まれ変わった音色のお披露目も兼ねたコンサートを19日に開く。
国内オルガンビルダー(建造家)の先駆けとされる故・辻宏さんが製作したパイプオルガンで、高さは3メートル余、一段鍵盤53鍵と241本のパイプを備える。松本教会が100周年を迎えた昭和53年に設置の機運が高まり、当初は電子オルガンも検討されたが、礼拝堂に合ったオルガンをと購入に向けた募金やバザーが盛んに行われた。当時はパイプオルガンを有する市音楽文化ホールもまだなく、松本教会『10年の歩み』には「長野県初の本格的なパイプオルガン」として多くの関心を集めた様子が記される。
日曜礼拝の賛美歌の奏楽を中心に親しまれてきたが、大々的なメンテナンスは長年してこなかった。4月から実施したオーバーホールでは、パイプを取り外して調整し、楽器に風を送るふいごも大きくしたという。柳谷知之牧師は「風圧を下げることで、より柔らかな音色になった」と話す。
19日のコンサートでは市内のオルガニスト・林めぐみさんと横浜市の声楽家・髙橋和美さんがバッハやヘンデルなど約10曲を披露する。林さんは「教会のオルガンは皆さんの思いを集約しながら音を奏でる。多くの地域の方、子供たちにも気負わずに聴きに来てもらいたい」と話している。
午後2時から。入場は無料で、能登被災地支援やオルガン維持の献金を募る。問い合わせは松本教会(電話0263・33・4653)へ。