塩尻市の道路損傷通報アプリ浸透 通報件数半年で昨年の7割も
塩尻市で、市民が市道の異常を発見した際にスマートフォンで手軽に通報できるアプリ「道路損傷通報システム」の利用が好調だ。アプリを使った本年度上半期(4~9月)の通報件数は144件で、既に昨年度の総件数の7割に上る。利便性の高さが、市民に浸透してきている要因とみられる。
現行の通報システムは令和2年8月に運用を開始し、3、4年度が100件程度で、5年度が202件にまで伸びた。アプリは市ホームページなどから入手可能で、今年9月末時点で、市民371人が登録している。
アプリを起動すると、地図で位置情報が確認でき、損傷箇所を写真撮影すると、管理者のシステムに通報内容が表示される。市の対応状況も報告されることから、通報した市民にも成果が分かりやすいのが特徴だ。電話での情報提供だと場所の特定が困難な場合もあったが、アプリの地図で正確な位置が把握でき、業務の効率化にもつながっているという。
通報の内容は、道路の穴やグレーチングの跳ね上がり、カーブミラーの不具合、雑草の繁茂などが主だ。市建設課が定期的に道路パトロールをしているが、市道の総延長が900キロあり、特に生活道路では損傷を見つけにくいという実情もある。迅速な対応は、交通事故のリスク回避にもつながる。武居寿明建設課長は「住民の皆さんと協力しながら事業を進めたい」としている。